まず、ピアノを本来の理想的な状態にするには、「調律」「整調」「整音」の3つの作業が不可欠です。でも、残念ながら、ピアノ教師、ピアノ調律師さえ含むほとんどの方は、「調律」だけで十分だと思っているはずです。
これでは、ハンマーは時間とともにどんどん固くなって鉄琴のような音になり、アクションも重かったり軽かったりムラがあったりとアンバランスになり、ピアノ本来の「弦」と「響版」が鳴る音には程遠くなってしまいます。また、小さい頃からこの「鉄琴」のような音に慣れ親しんでしまうと、この音が「スタンダード」となってしまい、ピアノ本来の音を知らずに過ごすことになります。残念ながら、大多数の人は、この部類に入ります。
スタジオのレッスンで使用しているコンサート・グランドは、私自身が日本中から探し出した広島の調律師、馬場さんにシンガポールまで出張していただき、「調律」「整調」「整音」の作業を完璧に行ってもらっています。普通なら、これで「わあ、すごい!」ということになりますが、当教室のレベルはここで終わりません。馬場さんに高精度に調整してもらったピアノの状態を、私自身が毎週微調整し、「調律」「整音」を芸術的なレベルに保っています。
「調律」 音の高さを合わせます
「整調」 アクションを調整します
「整音」 ハンマーに針を刺し、弾力を調整します
ピアノというのは本当にデリケートで、どんなに高精度に調整しても、気候、時間、演奏頻度等により、日々どんどん変化して行きます。これは、誰が調律したどのピアノも同じです。「木」で出来ている以上、変化しないピアノというものは存在しません。
スタジオのコンサート・グランドは、白鍵が象牙で、黒鍵が黒檀です。
象牙も黒檀も指の汗を吸いますので、滑りません。微妙な感覚で指に吸い付きますので、とても弾き易いのです。
生徒の皆さんにはレッスン前に石鹸で手を洗っていただいていますが、それでも1週間で象牙は皆さんの手の汗と汚れでドロドロです。毎週、簡単な漂白をしなければなりません。シンガポールで唯一の「象牙・黒檀」コンサート・グランドも、手入れに大変な手間がかかります。
当教室には上級クラスの生徒さんが何人かいらっしゃいますが、特に中級・上級クラスのレッスンでは、このようにお金と時間と手間をかけた本物の楽器でレッスンを行うことで、初めて「タッチ」の改善、「音色」の追求が行えるのです。高精度に調整されたピアノでなければ、特に「音色」の追求は不可能です。
「芸術的な音」を出すには、
1、本物の音を出す「楽器」
2、それを合理的に鳴らす「演奏テクニック」
3、さらにどのような音場で演奏するかの「音響」
の3つの要素が必須条件となります。
シンガポールでこの3つの条件を整えられるピアノ教室は当教室以外にはありません。もし、この「芸術的な音」を出してみたいと思ったら、どうぞ当教室のレッスンをお試しください。