熱帯雨林のジャングル、シンガポールでのピアノ選びは、日本での話とは大きく異なります。

まず、第一条件「エアコン(除湿)を24時間、かけっ放しにできるか?」これで、すべてが決まります。エアコンを24時間稼動させると、半端ではない電気代がかかります。ほとんどのご家庭ではそれは無理だと思いますので、電子ピアノ、クラビノーバを選ぶのが適切です。

何故アコースティックのピアノに24時間空調が必要なのか?というと、ピアノという楽器のほとんどのパーツが木製であるからです。ハンマー・アクション一つを取っても、湿気を吸ってしまうと木が膨張して動かなくなってしまいます。また、ピアノの命、響板の膠(にかわ)は室温25度以上になると溶け出します。これら、たった2つの例えを出しただけでも、ピアノがいかにデリケートなのか、おわかりいただけると思います。

さらに「トドメを刺す」現象は、エアコンを付けたり消したりする場合に起きます。ピアノの弦は、金属です。缶ビールを冷蔵庫から出して、しばらくすると缶が汗をかきますね?ピアノの弦も同じです。エアコンを消したあと、冷えた弦は汗をかき、これを繰り返しているうちに間違いなく錆びます。新品のピアノも、2ヶ月エアコンなしの状態で見事に壊れます。

また、アコースティック・ピアノは防音の問題も抱えています。クラビノーバならヘッドフォンもついていますし、最近のものはグランドピアノのアクションやペダル機能を備え、ハーフタッチ/ハーフペダルも可能なので馬鹿に出来ません。何より価格が手頃であり、面倒なメインテナンス(整調、整音、調律)が不要です。

もしピアノ選びに迷ったら、どうぞお気軽にご相談ください!