楽譜に書かれている「休符」はとても大事です。何故なら、作曲者が意図してそこに「休符」を入れているからです。「休符」を「音の出ない、指を休める時間」と定めるのは間違いです。「休符」は、「音の出ない音楽」です。
話がかわりますが、私は「能」が大好きです。「歌舞伎」が好きな方は多いかも知れませんが、私には「能」の間の取り方がたまらなく心地よいのです。この「能楽」の「謡」や「囃子方」をやっている方たちは、皆さん抜群のリズム感と絶対音感を持っています。突き詰めると、音楽も洋の東西を問わず、同じようなことがきちんと受け継がれているのですね!若いころ、よく「能」を観に行き、この音のしない「間」の音楽を、日本が世界に誇る古典芸能「能」から学びました。今では、この時勉強したことが、西洋のピアノ演奏にとても役立っています。
たとえば、弱起(アウフタクト)の曲の場合、最初の小説には休符がいくつか示されているはずです。皆さん、この休符のことをきちんとカウントしていますか?これをきちんとカウントする練習をするだけでも、曲が全く変わるのです!ちなみに、皆さんよくご存知の「エリーゼのために」もアウフタクトの曲です(楽譜によっては、休符の表示が省略されています)。
さあ、今日から「休符」をきちんと意識してカウントしましょう!!これも、「クロイツァー流」の基本の一つです。